軽バンを自分の隠れ家のように改造して、ひとり旅に出る魅力と方法を紹介します。
大人のひとり旅は、出会いもあり、大自然に感動し、長年の仕事の疲れを癒してくれます。
自分だけのオリジナルな車中泊スタイルでひとり旅。
「大人のひとり旅」に出発するための車中泊ガイドです。
大人のひとり旅は魅力がいっぱい!
車旅でも車中泊でも電車でも、ひとり旅はとても魅力がいっぱい詰まっています。
ひとり旅の最大の魅力は、だれにも気兼ねなく自分だけの自由な時間で過ごせることです。
ひとりは寂しいのでは?
そういう時もありますね・・
実は、ひとり旅はもう一つの魅力があります。
それは、今の自分と素直に向き合えることかもしれません。
仕事が多忙で忙殺されている生活。ホッとするわずかな時間も取れずにすごしてきたはずです。
新しい発見をするには、今いる生活の場から離れて、見知らぬ土地にでかけることです。
見方がかわり、考えもかわり、元気もでてくるから不思議です。
これが 大人のひとり旅の最大の魅力なのです。
車中泊のひとり旅は夢であり魅力的!
ひとり旅の魅力を最大限に楽しむには、車中泊がとてもワクワクさせてくれる手段です。
ホテルや旅館をベースにひとり旅もいいものですね!
でも、とっても小さな車で行くのも魅力があります。
車の魅力は、どこにでも自分の好きな場所まで連れて行ってくれることです。
そして、その車がそのまま別荘になってしまうことです。
車の中で寝泊まりする「車中泊」の旅は、高級ホテルをもしのぐ魅力があります。
軽バンのバックドアをフルオープンにすると、そこに広がる大パノラマは、まるでプライベートな別荘のバルコニーから眺めているようです。
車中泊は軽バンが面白い
車中泊で寝泊まりする車には様々なスタイルがあり、ひとそれぞれです。
ぼくが軽バンを選んだのにはワケが3つあります。
一つ目の理由は、もう大きい車場いらないという理由
いままでいろんな車乗ってきました。大きいものではエスティマ4WDの車中泊用です。普通車のバンもあったし、ステーションワゴンのタイプもありました。
でも、なんで軽バンなのか?
仕事車でクッションも良くないし、エンジン音もこの上なくうるさいのです。
では、軽自動車だから燃費がいいのか?
そうではありません。軽バンはリッター11km位しか走らないのです。
エスティマ2400㏄4WDがリッター8㎞も走ったことと比較すると、相当燃費は良くないかもしれません。
660㏄の3速オートマなので、高速では100㎞出すとうなります。エンジンが高回転で壊れるのではないかと思うほどです。
こんな仕事車の軽バンを選んだのは、実は「その走りが、自分と似ていたから」です。
大変な荷物をのせて走るのに、エンジンは小さい。軽バンだから走るのが遅い。いつもエンジンはフル回転。
さらに、荷物の出し入れでキズが絶えないボディ、乗り降りが激しくすり切れた運転席のイス。
これらの、疲れ切った車が「軽バン」なのです。
自分の生きてきた道と二重写しになり、ひとり旅では「行動を共にする親友」のようだったからです。
ちっぽけな中古の軽バンだからこそ、ひとり旅に似合うのです。
二つ目の理由は、茶室のような車内の広さです。
とっても広い部屋にいると落ち着かないし、狭すぎる部屋では息苦しくなります。
軽バンの車内の広さは、とっても居心地がいい広さです。
広すぎず狭すぎず、とっても居心地がいいのです。
小さい割には、結構広く感じるし、大の字になって寝ることもできます。その反面、手をのばせは、どこにでも届く便利さがあります。
茶室は狭そうですが、しかし、客を入れて接待することができる広さです。丁度2人がお茶室でお茶を頂けるほどの広さです。
落ち着く広さが、心地よいとわかったのは、長旅をしてからさらに、そのように感じました。
3つ目の理由は、どんな狭い道でもスイスイはしれるコンパクトさです。
車中泊の旅では、山の峠を超えたり、海辺の細い断崖を走ったり、温泉街の狭い道を走ったり、します。
日本全国を周るからと言って、高速道路を通るようなことはしません。
その土地土地の一般道を走ることで、街並みや文化を肌で感じることができるのが魅力です。
軽バンは大人の隠れ家
軽バンの荷物室は、車旅ではリビングでもあり、寝室でもあり、食堂でもあり、仮眠室でもあり、着替えをする部屋でもあります。
1カ月も車中泊の旅をすると、そこは一軒の家になります。
わずか縦200㎝、横幅130cmの広さです。ちょうど4畳半の半分の広さで暮します。
しかし、荷物室の真ん中に座ってみるとわかりますが、天井が意外と高く、目線も窓から外を眺めるには丁度よいのです。
1日中いても飽きません。
丁度、京都の舞鶴という日本海側で、台風に遭遇してしまった時がありました。
台風の通過を待つために丸二日間、車内で過ごしたことがあります。
狭いと思われる車内ですが、意外といがいと居心地がよくて長居してしまいます。
中で食事をしたり、ブログの記事を書いたり、写真の整理をしたり、
地物の海鮮を買ってきて食事をしたりと、
結構2日間があっという間に過ぎたのを覚えています。
それほどに、軽バンの荷物室の広さは絶妙な空間なのです。
まるで、大人の隠れ家のようで気に入っています。
でも、最近の温暖化により、いつ隠れ家が悪天候に襲われるかもしれません。
大自然のちからには勝てません。
車中泊用に軽バンを改造
とはいえ車中泊に軽バンで出るには、それなりの改造が必要です。
大人のひとり旅仕様の車中泊車に改造することが、旅での疲れや疲労を癒してくれるのです。
そのままで改造なしても、十分車中泊の旅はできるし、ぼくも最初はそのままの車内に布団をしいて毛布をかぶって寝たことがあります。
でも、窓から丸見えだし、網戸が無いので、窓は少し開けて寝るのですが、虫が入ってきたりと、とても無防備の車中泊は快適とは言えません。
どうしても、シンプルな改造をすることが居心地をさらに良くしてくれます。
どんな改造をしたのか、簡単に説明します。
1.電源をソーラーで確保する
車中泊の旅ではずせないのが、夜使う電気です。
車中泊の旅では昼間は移動するので電気は車のシガレットから十分賄えます。
問題は、夜の照明やパソコン、デジカメ、WIFI、テレビ、スマホの充電などで使う電気を確保することです。
最近主流になっているポータブル電源はリチュウムイオン電池を使っているので大容量で冷蔵庫やテレビ、電気毛布も使えるほどに進化しています。
ぼくの場合は、それは使わずにソーラーパネルで自給自足をすることにしたのです。
自然エネルギーを使って、ただそれだけで車中泊の長旅をしようと思ったことが理由です。
太陽の光だけで、電気をまかない、それで1ヵ月も旅ができたら、チャレンジした気分が倍増するからです。
豊富な電気の中で停電することもなく過ごしている現代の生活から、少し離れて「不便さ」をあえて体験することにしたのです。
このことが、実は旅を楽しくしてくれたのです。
雨が続いたりするとソーラーでは電気を発電するのが弱くなるから、夜はガマンしてキャンプ用のランタンですごしたりしたこともあります。
ソーラーシステムは、全てUSB化して省電力で全てがまかなえるように改造しました。
ソーラーパネルは50W が2枚です。1枚で十分ですが、長旅ではソーラーシステムが壊れることも想定して、2つのシステムにして片方をバックアップとして使うようにしました。
ソーラーパネルは50ワットで、十分につかえます。家庭と同じようには使えませんが・・・
生活には間に合います。
2.フルフラットな床にして寝る場所を作る
車中泊の旅なので、やはりフルフラットな床はよく眠れるし、疲労が回復するのです。
さらに、リビングにもなるためフルフラットな床は居心地がいいのです。ゴロンと横になって大の字になって手足を伸ばせば、気持ちいいものです。
ぼくが考えたフルフラットな床は、工夫をしたことがあります。
それは、1分でフルフラットにもなれば、4人掛けの普通の軽バンにも戻せるという仕組みです。
後部の荷物室が座席にすぐに戻せるのにはメリットがあります。
突然に人をのせる時に、1分で元通りにできたら便利です。雨の日に車内でフルフラットからイス席に、あるいは逆にできるように作ったのです。
これはとても便利で、その後、旅ではよく使いました。
昼のご飯を食べる時には、イス席の方が良いのでフルフラットな床を1分でイス席にすると、座ってご飯がたべれるのです。
雨のすごい日などは、中でフルフラットからイス席にもどすと、すぐに豪雨の中でも出入りが簡単にできるように一瞬でなります。
床上げして角材で作りこんでしまうと、車体がおもくなるのと、取り外すとににとっても面倒なことになるので、ぼくの場合はやめました。
この方法で日本を回りましたが、何ら問題はなく快適に車中泊ができまました。
3.玄関を作って出入りが素早くできるようにする。
軽バンに玄関を作るのには、ワケがあります。
軽バンの後部をフルフラとにしたまま、雨の日にサッと出入りできるようにしたかったからです。
そのためには、玄関というか土間というか、土足で出入りできるように玄関を作ったのです。
これがとっても便利で、雨の日でも、あるいは隣の車がピッタリと駐車いていても、さっと出入りができるのです。
車内でフルフラットな床の上で土足のまま靴を履いたり脱いだりできるから便利です。
4.窓の目隠しと網戸を作る
車中泊の旅でとっても重要なことがあります。それは車の窓の目隠しと網戸です。
目隠しはプライバシーを守ることと、防犯の目的があります。窓がスケスケで寝ていると危険です。
これは、ある道の駅での経験です。
車中泊の用意をしていたら、窓をたたくのでだれかと思い見ると、底には女性がたっていました。
路上で生活されている方らしく、とってもすごい感じです。
手をだして食べ物とお金をくれというのです。
なぜ来たかといえば、車の中が丸見えの状況で作業をしていたからでしょう。
網戸はブヨなどの害虫から身を守るためでもあり、車内の暑さ、熱中症対策でもあります。
網戸はじゃまにならに用に作ることが重要です。
車中泊の夜の旅に窓に取付けたりはずしたり、それを収納したりする手間を省くことができる網戸の設計を考えて作りました。
5.冷蔵庫を作る
車中泊の旅で必要なのが冷蔵庫です。または、冷蔵庫としてつかえるクーラーボックスです。
昼間に買った食材やおつまみ、飲み物などを暑くなる車内で冷たく保管するための改造です。
車用の電気冷蔵庫が販売されていますので、それを利用するのもありですね。
しかし、ぼくの場合は電気を使わないでも十分つかえるように釣りのクーラーボックスを工夫して使っています。
車内が熱くても結構、冷たくして保管できるので安上がりで電気の心配もいりません。
数日間なら冷たく使える方法を紹介します。
6.机を作る
車中泊の旅でよく使うのが机です。はじめは茶の間で使う折り畳みテーブルをつかっていたのですが、走行注意動いたり、折りたたむとその度に出したり収納したりと、毎日のことになるととっても不便です。
特に1日に400kmも異動した時などは、すぐにごろんと休みたくなるものです。そんな時にいちいち収納したテーブルを出して使う気にもなりません。
そこはやっぱり作り付けの机があるとそのまま使えるのでとっても楽です。
パソコンを使ったり、地図をひろげたり、ご飯を食べたり、日記をつけたりするのは机が必要です。
かんたんな机でちょっとの広さがあれば十分なのです。
ぼくが作ったテーブルは、車体にアルミの万力で4か所止めただけなので、いつでもすぐに取り外せます。
長めの荷物を積むときなどは、数分で元通りになります。
7.棚や収納ラックを作る
ラックというか棚は、やはり作り付けではありません。棚は突っ張り棚を用意して使いました。
重さが数十キロに耐えるだけあって、軽バンの車体を内側からつっぱることで、強度がましました。
それまで、ギシギシと音が出ていた後部の荷物室は突っ張り棚を取付けたことで、しっかりとしてきしむ音がでなくなりました。
たがか突っ張り棚ではありますが、ラリー車に取付けるロールバーのような強度を増す働きにも効果を得ています。
車中泊で使うものを用意する。
1.食事用のグッズを用意する
車中泊の旅の食事は、とってもおいしくなります。大自然を目の前にして食べるご飯は、何十倍もおいしく感じます。
車中泊で用使うのは「お湯」です。お湯さえ沸かせれば、あとは何とかなります。
そこで使うのが登山用のバーナーとクッカーです。
ファミリーキャンプでは、いろいろなクッキングツールを持って行って楽しむのですが、車中泊は日々の生活そのものです。
なので、キャンプのように2~3日だけの短期間なら楽しめるのですが、あのキャンプを毎日朝昼晩とやったり、ちょっと疲れます。
日々の食事はシンプルにできて、疲れずにかんたんに、しかもおいしくできることが長続きで切るコツです。
そこで使うのが、あの登山用品です。
登山をしたことがあればご理解いただけると思いますが、何日もバックパックとテントを背負って縦走するには、シンプルでかんたんですぐできることが求められます。
車中泊の旅を満喫するには、やはりシンプルが一番なのです。
ぼくが車中泊を始めたばかりのころは、コンロからフライパン、鍋、お玉、包丁など家庭で使うグッズをたくさん積んでいったことを記憶しています。
その殆どは使わないで車の中に積んだだけでした。
2.寝袋とマットを用意する
車中泊のメインとなる夜の寝床の準備です。
真夏から真冬にいたるまで、車の中での寝泊まりは工夫が要ります。
真夏は、マットを敷いてそのままでも問題はありませんが、汗をかくので、マットは風通しのよいサラッとした感じにつかえるものがいいです。
真冬はものすごく冷えるので、マットがないと凍死することにもなります。
車内の温度は45℃~-2℃あたりまでを守備範囲にするグッズをそろえることになります。
最適なのが研究しつくされた登山用のマットと寝袋です。
過酷な登山では命取りになるため、マットと寝袋は命を守る道具でもあります。
車中泊でも甘く見てはいけません。登山をお手本にして寝具やマットを選ぶことが改定さを保つことにつながります。
3.ゴミの処理を用意する
車中泊の旅では「ゴミ」が出ます。道の駅で仕分けをしないままコンビニ袋に空き缶からお弁当のプラスティックの容器まで入れて捨てる方がいますが、これはマナー違反です。
車内で出るごみは、しっかりと分別して、小さくまとめてから、廃棄が許されている場所で捨てることです。
中には、面倒になり、コンビニの屑籠に押し込めて行ってしまう方も実際に目の当たりにしました。
ゴミは、処理するためのポイントがあるのでしっかりと処分しましょう。
4.車内の照明を用意する
夜の照明は必要ですね。LEDの車内灯を取付けたり、ランタンを利用したりと様々です。
車内でランタンを使う時のコツがあります。
キャンプで使う大きなランタンはまぶしすぎて使えません。
なるべくコンパクトで小型のランタンで十分です。
5.飲み水を確保できるようにする
飲み水はペットボトルで購入してクーラーボックスで保管して使います。
でももっと効率的なのは、真空ポットや保温の水筒を使うことです。
コンビニやスーパーで冷たいペットボトル水を購入したら、真空ポットや水筒に移しておくと冷たさが持続します。真夏などは氷などを入れるのも良いです。
熱中症対策としても大変重要になってくるので、水をどのように冷たくして保管しておくかが車中泊では重要になってきます。
6.温泉セットを用意する
車中泊の旅では、いつ日帰り温泉と出会うかわかりません。
日本中に日帰り温泉はあるので、きっと昼間にでも車を止めて温泉につかるのも悪くはありません。
土日は、日帰り温泉も人がおおくなりますが、平日の昼ならものすごくすいています。
ぼくはいつもこの時間を大切にしています。あるいは、夕方5時過ぎると入浴料が安くなることもあります。
そこで用意しておきたいのが、いつでも入れる温泉セットです。
タオル、石鹸、シャンプー等があればいいですね。
できれば、100均でプラスティックのカゴを用意しておきましょう。温泉に入ると、シャンプーや石鹸を置いてから湯船にはいるので、その間はカゴに入れて洗い場や棚に置くことが便利です。出先でカゴを買ったほどです。
温泉の中には、石鹸もシャンプーも自分で用意するところもあります。
さらに、温泉から上がって車に戻ったら、タオルを干すためのハンガーがあるといいです。
濡れたままのタオルを乾かすのに、ハンガーは使いやすいです。
7.雨具を用意する
突然の雨で、車から出られないこともあります。できれば「ワンタッチ傘」があると便利です。
車から出る時に、ボタン一つで傘が開けば、濡れることが少なくなります。
また乗り込むときもすぐに折りたためて車内に収納するのが楽になります。
8.地図を用意する
カーナビが発達したので地図帳は不要だとおもうのですが、意外と使います。
まだまだカーナビが万能とはいきません。
人間が目で見るとすぐにわかるので、地図帳はぜひ一冊用意すると便利です。
北陸の海沿いを走っていた時に、落石で迂回することになりました。するとカーナビは15㎞もかかると道案内していました。
ずいぶん迂回に時間を取られたことを記憶しています。
あとから、地図帳でかくにんしたら、別の脇道があり、そこを抜けると4㎞で到着することができたのです。
軽バンがつれていく大自然
自分の城に改造したスペシャルな軽バンで、大自然の中に行きましょう。
たった660㏄の排気量の軽バンですが、大人ひとりと荷物を積んで大自然の中に連れて行ってくれます。
人間は山や海を目の当たりにすると、なんともいえない開放感と癒しが味わえるのです。
何百キロも走って到着した場所でむかえる朝日の輝きは、都会や職場では味わえない特別なものなのです。
自分用にカスタマイズした車中泊の車で出かける「大人のひとり旅」は、とっても魅力がいっぱいつまっています。
新たな大人のひとり旅を目指す
軽バンでひとり旅をして 気が付いたことがあります。
それは、いまのひとり旅はこれから先の長い人生の中でのスタートかもしれないということです。
忙しかった現役時代と自由な時間を手に入れたリタイア後の間で、
ちょっと休憩する時間が、車中泊の「大人のひとり旅」なのかもしれません。