1000ccのコンパクトカーで車中泊の旅はできないものでしょうか?
2人でも足をのばして寝る方法はあるのでしょうか?
実は小さなコンパクトカーでも十分なスペースで車中泊ができるように改造する方法があります。
今回はコンパクトカー「パッソ」を使ってシンプルな車中泊仕様にしてみました。
2人で2泊3日程度は足をのばして寝れる快適な空間で車中泊ができます。
コンパクトカーで2人で車中泊をしたい!
車中泊をするときに選ぶ車は床がフラットになる軽バンやハイエースなどの広く使える車が人気です。しかしだれでもそんな車中泊専用の車を持ってるわけではありません。
普段生活の中で使っているコンパクトカーがあれば、その車を使ってなんとか車中泊の旅を楽しみたいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、コンパクトカーは乗用車だから車種によっては軽自動車「Nボックス」よりも室内が狭いかもしれません。
コンパクトカーで車中泊する難点とは?
コンパクトカーで今回取り上げるのはトヨタの1,000cc「パッソ」です。
あの奥様方に人気のお買い物車とでもいうのでしょうか。
小回りが利いて燃費もリッター15~20㎞走り車体も軽くて税金が安いのです。
ベンチシートだから助手席と運転席の間をスライドして移動できるのです。
そんな便利な装備が多い車です。
実はぼくの妻がパッソを使っているのです。妻が旅行の予算を節約したいのでなんとかこの車で寝泊まりして温泉に行きたいというのです。
軽バンがあるといったら「あれは旅車だからいや!」というのでパッソを改造することになりました。
パッソはコンパクトカーです。難点は車の長さが短いことと乗用車なので車高が低いこと。
そして床が軽バンのようにフルフラットにはならないという悩みがあります。
そこで座席を多少アレンジできる範囲を最大限活用して改造することにしました。
改造のポイントは次の通りです。
- 足をまっすぐ延ばして寝ることができる。
- 2人並んで寝ることができる。
- あぐらをかいて座って食事ができる。
- 簡単に原状復帰ができる。
- 車体に穴をあけたりなどの改造はしない。
- お金をかけない。できれば家にあるもので済ませたい。
では改造方法を紹介します。
パッソを車中泊仕様に改造する方法
1,000㏄クラスの小さな車でも2人が足をのばして寝れる車中泊の方法を考えました。
2人でも楽しめるには2人が最低足をのばして寝ることができるスペースを用意する必要があります。
さらに改造といっても妻が普段使っているコンパクトカーだから、車体に装備を作りこんだりせずに簡単にもとに戻せるようにしたいものです。
パッソで2人が足をのばして、お互いに触れないようなプライバシーを保ち、ゆっくり寝られるように改造してみました。
座席を車中泊用にアレンジする
パッソの座席は前がベンチシートです。
この座席を最大限前方にスライドして背もたれを前方に倒します。
運転席側のヘッドレストはなるべく最大に引き出しておくとハンドルにぶつからずにイスが前に倒れます。
パッソの後部座席は座面だけが前方にスライドして下がります。
つまりその部分だけ平になるのです。
この状態で足元のすき間が無くなりフラットになります。
後部座席がフラットになったらイスの背もたれを前に倒すと、なんとなくフラットに近いスペースがとれます。
どれ位のスペースになるか計ってみました。奥行きが170センチです。
横幅は中央部で125センチ、後部ハッチドア付近で110センチ。
高さは中央部で90センチ、後部で95センチです。
この広さは2人用のテントの中とほぼ同じなのです。スペースとしては問題はありません。
ちなみに軽バンの後部の広さは、幅が120センチ、奥行きが200センチなので軽バンの方が広いです。
ハイルーフなので天井までも120センチあったから軽バンはたしかに圧迫感はありません。
パッソではフラットにすると写真の様になるのですが、デコボコはあります!
そして前席と後部の間に谷間が出来てしまいます。
ベニヤ板を敷く
そこで利用するのが90cm四方のベニヤ板。自宅にあったのでそれを再利用しました。
写真の様に前席にピッタリつけて置きます。たったこれだけで2人が足をのばして並んで寝るスペースができました。
ぼくは165cm、妻は167cmです。奥行きが170センチあるので足をのばしても大丈夫です。
ベニヤ板の幅は90センチですが、この上に体がのることでベニヤ板はしなることも無く体重で固定されるので安定して寝れます。
幅が足りないように思えますが実際は十分なのです。
理由は「頭と背骨がベニヤ板の上にあれば全く平坦な場所で寝ているのと同じ」ように感じます。
ここがコンパクトカーで寝る最大のポイントだと分かりました。
全部をフラットにする必要はないのです!
厚手のマットレスカバーをベニヤ板の上にのせる
次は厚手のマットレスカバーがあったのでベニヤ板の上に敷きました。
これがあるとソフトな感じになります。マットレスカバーとは敷布団用マットのカバーです。
マットレスカバーの上にマットを敷く
毛布の上にサーマレスト・マットをのせれば寝床は完成です。この状態で2人が並んでも十分な広さと足をのばせる空間ができます。でこぼこもほぼ感じなくなりました。
サーマレストのマットは高価ですがもう7年目になってもヘタレません。タフな使い方でもへっちゃらで、軽バンの車中泊やキャンプでは毎回使ってきました。
写真のサーマレストは在庫がないようなので、ぼくが持っているもう一つの折りたためるタイプを紹介します。収納が楽です。端を折りたたむと枕にもなりますよ!
マットの上に寝袋を置いて寝る
マットの上に寝袋をしいて寝ると最高の快適な空間になります。寝返りができる大きめの寝袋でも2つ並べることができます。頭は、運転席側に置いて寝ます。
扇風機を取り付ける
暖かい季節になると車内も暑くなるので、夜寝る時に使うUSBの省エネの扇風機をクリップでサンバイザーに取付けてみました。頭の上にあるので涼しくて快適です。この扇風機は4年使ってますがとても静かで省エネです。
ミニテーブルとメスティン、バーナーを使う
2泊3日程度の車中泊の旅なので、イワタニジュニアのバーナーとトランギアのメスティンとSOTOのワンタッチでセットできるミニテーブルがあれば大丈夫。
いろいろな料理が作れます。
炊き込みご飯は缶詰を使うと簡単においしく炊けます。
自宅で材料をカットして持っていけは楽です。
大自然を目の前にして食べれば絶品で最高の贅沢!シンプルな方がますますおいしく感じるのです。
ランタンを下げる
軽バンでは夜の照明はUSBの電球をソーラーシステムで充電したバッテリーを利用して使っていました。
しかし2泊3日程度なら、ミニランタンと乾電池で十分に対応できます。
スマホの充電はスマホ用の予備バッテリーで十分、昼間の移動中に車から充電すれば間に合います。ランタンは充電タイプもあります。
ランタンでおすすめするのがミニランタン。
その理由は大きなキャンプ用のランタンだと車中泊ではまぶしすぎて疲れるからです。
小さなランタンのほうが山小屋のような雰囲気になってとってもロマンチックになるのです。
パッソの車中泊仕様の完成
コンパクトカー「パッソ」でも車中泊の旅を2人で出来ることが分かりました。
持参する車中泊グッズはなるべくシンプルにまとめていきましょう。
日帰り温泉や観光などが楽しめて、さらに大自然を目の前にして車中泊を楽しめるのです。
今後の改造の課題
このパッソの改造はまだ課題があります。
窓の目隠しを作る
パッソのフロント・リアの目隠しを作ることと、サイドの窓の目隠しと虫よけの対策をすることです。目隠しは100均の銀マットを使って作る予定です。
網戸を作ることも考えましたが、もっと簡単な方法をテストしてみようと思っています。それは自宅の玄関や窓で使っている「虫コナーズ」です。車中泊中は自宅では使わないから、その期間は車旅に持参することにしました。
靴置き場を作る
車中泊で必要なのが靴置き場です。これば100均のトレイを使っておく方法にします。
軽バンで使っていてとても便利だから、コンパクトカーでは置き場所を考えてみたいと思っています。
クーラーボックス、ポットを用意する
その他に小さなクラーボックスと冷たい飲み物を入れる水筒やポットを用意したいと考えています。2泊3日なら夜だけの飲み物を確保すればいいので楽です。
まとめ
小さな車で車中泊の旅をするのも味わいがあるものです。だれもまだやっていないようなコンパクトカーの車中泊仕様を考えるのもいいですね。
シンプルに楽しめるコンパクトカーでぜひ車中泊の旅を満喫してください。