(投稿:2019年1月13日、更新:2020年10月18日)
軽バンという狭い車内で使うにはどんなシュラフを選んだらいいか選び方を紹介します。
安いものから数万円もする高価な物まで幅広く販売されています。
その中から車中泊用に選ぶには、何を基準にしたらよいか、どんな種類があるのかを含めて、紹介いたします。
- 軽バンの車中泊と登山用シュラフは相性が良い
- 車中泊には軽量・コンパクトな収納のシュラフ
- シュラフは車内のどこにでも寝られる
- 季節とシュラフの種類
- 3シーズン用のシュラフ
- 冬用のシュラフとシュラフカバー
- シュラフの材質と取り扱い方
- 化学繊維のシュラフ
- ダウン(羽毛)のシュラフ
- シュラフの形状と特徴
- 暖かく快適、寒さから命を守ります。
- 温度表記に関するEU諸国における統一規格
- 外気温により選ぶシュラフの種類
- mont-bell(モンベル)ダウンハガー800 #3
- mont-bell(モンベル)バロウバッグ #2 ロング
- NANGA(ナンガ)UDD BAG 280DX
- NANGA(ナンガ)AURORA light 350 DX
- ISUKA(イスカ)エア450X 1488
- 道の駅「常盤大宮」で使用
- 天気予報では、マイナス3.8℃の予想
- mont-bellダウンハガー800 #3のレビュー
- 外見はペラペラの薄い感じです。
- 午前2時頃から冷えてくる。
- 午前4時、シュラフだけでは寒い!
- 寒くなったため、シュラフカバーを使う
- シュラフカバーの中は、暑い!
- まとめ
軽バンの車中泊と登山用シュラフは相性が良い
車中泊では寝るときに毛布や布団利用する方もいます。
一方登山向けに開発されたシュラフ(寝袋)は、軽くコンパクトで温かく収納性が良く、テントと同じくらいの狭い車内で使うので車中泊と相性がいいのです。
また、命を預かる信頼性のあるシュラフには気温に対するヨーロッパの基準が設けられていて表示されています。
シュラフの種類と見方、さらには車中泊におすすめのシュラフをご紹介いたします。
車中泊には軽量・コンパクトな収納のシュラフ
キャブコンやバンコン等の大型キャンピングカーでは車内が広いので、自宅で使うようなベッドを備えたり、布団、毛布を積んだりと快適な睡眠空間がとれます。
最大のメリットは軽量・コンパクトな収納です。
狭い車内で簡単に広げることが出来て、コンパクトに収納できるのがシュラフです。
乗用車や軽自動車・軽バン等のコンパクトカーで車中泊を楽しむには、布団やベッドは置けるにしても、それでほぼ埋まってしまします。
そこで軽くコンパクトなシュラフが欲しくなってくるのです。
リーズナブルのものから高価な羽毛(ダウン)のシュラフまでいろいろな種類があります。
シュラフは車内のどこにでも寝られる
車内に1人分のスペースを確保すれば、乗用車でも暖かく寝る事ができます。
シュラフに入ると、そこは別世界でプライベートな空間になります。
シュラフの中が別世界という体験は車中泊ならではのものかもしれません。
テントとは違い、車内でのシュラフの寝心地は一度やったらやめられません。
季節とシュラフの種類
季節による違い
シュラフには、季節による違いがあります。値段が安いからと季節を考慮しないで購入すると、真冬には命のかかわる事にもなります。
ここでは、その違いをよく確認してから準備しましょう。
3シーズン用のシュラフ
一般に広く使われているのが、3シーズン用のシュラフです。冬を除く春、夏、秋をメインにつかうシュラフです。
真冬に使うには、服を着こんで毛布でくるんで使うことはできますが現実的ではありません。
夏は暑くて使わないので、敷布団がわりに床に敷いて寝たりします。涼しくなるころまでが守備範囲です。
夏の山では昼は熱いのですが夜は気温が下がって寒くなります。なので3シーズン用を持参する機会が多いです。
冬用のシュラフとシュラフカバー
気温がマイナスになっても使えるシュラフでマイナスでも幅があります。丁度0℃くらいからマイナス10℃より低くても使える物まであります。
シュラフカバーはシュラフをすっぽり包み込む袋です。
冬の登山で使う機会が多いです。
雨やテント内に発生した結露にシュラフの羽毛はとても弱いのです。なのでシュラフを濡らさないようにするために、シュラフを包み込む袋として開発されたのがシュラフカバーです。
シュラフと同じ形をしていて薄い素材ですが丈夫に出来ています。
シュラフをシュラフカバーの中に入れて寝ます。
このカバーがあれば、多少の雨が降って濡れても大丈夫です。
特に3シーズンのシュラフを冬に使う時には、このシュラフカバーに入れて使うと暖かさが違い、厳冬でも使える様になります。
また、夏には包まる程度ならシュラフカバーだけでも過ごせます。
シュラフカバーは便利なグッズです。
シュラフの材質と取り扱い方
シュラフの命である中身の材質には、化学繊維とダウン(羽毛)があります。
それぞれに特徴がありますので、しっかりと確認して用意しましょう。
化学繊維のシュラフ
化学繊維を使ったシュラフは、大きめになります。
たたむ時は、均等になるように丸めて巻いていきます。中身の化学繊維が偏らないようにするためです。
水の影響は殆どないので、自宅の洗濯機で洗えます。
特徴は羽毛に比べ材質が安価なのです。
なので安価で暖かいシュラフが手に入ります。ファミリーキャンプではこの手のリースなブルなシュラフが人気です。
ダウン(羽毛)のシュラフ
ダウンは羽毛なので水に濡れないように取り扱いに注意が必要です。
ダウンは軽く縮まるのでコンパクトに収納できるのです。
本来羽毛は鳥の体を包んで守るので、保温性があり暖かいのです。
シュラフに入る時も薄手のシャツで入ったほうが体温が羽毛との間に暖かい層をつくり暖かくなるのです。
反面水には注意が必要です。水を吸うと保温性が無くなります。
洗濯は特殊な洗剤を使うため、自分でも洗えますが専門業者に依頼した方が良いと思います。
シュラフの形状と特徴
シュラフには様々な形があります。代表的なマミー型と封筒型の違いを説明します。
マミー型
体の形に合わせた形状で無駄な隙間が少なく作られています。体への密着性が高く保温性に優れているのが特徴です。
封筒型
文字通り長方形をした封筒型です。幅が広くゆとりがあります。
暖かく快適、寒さから命を守ります。
シュラフはキャンプや過酷な自然環境の登山で寒さから命を守るために必要な道具です。シ
ュラフには使用可能な温度の基準がありますので、確認してから用意しましょう。
温度表記に関するEU諸国における統一規格
シュラフの温度に関する基準を確認して、選びましょう。
写真はモンベルのダウンハガーの気温表記例です。
購入する時には、温度をしっかり確認することが後々の車中泊を快適にするかどうかに影響してきます。
必ず確認することをお勧めいたします。
仕様温度基準ヨーロピアン・ノーム
シュラフには、温度表記に関するEU諸国における統一規格「ヨーロピアン・ノーム(EN13537規格 )」があります。3段階に使用温度を分類しています。
Comfort (快適使用温度)
一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域とされています(快適使用温度)。
一般的に女性は男性よりも寒さを感じやすいので約5℃程度高く使用温度を算出しています。
Limit (下限温度)
一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域とされます(下限温度)。
これよりも低い温度は、リスクのある温度域となります。
Extreme *非常に危険
一般的な女性がスリーピングバックの中でひざを抱えるくらい丸くなった状態で6時間までなら耐えられる温度域とされます。
体は震えを起こすことで熱をつくりだそうとし、基礎代謝量が増えます。なお、この温度域で使用すると低体温症になる恐れがあり、非常に危険です。
外気温により選ぶシュラフの種類
マミー型と封筒型がありますが、紹介はマミー型を選びました。
主にシュラフを使うのは冬の車中泊で低温でも使えるタイプが必要です。個人差もありますので表記温度を基に体形等を加味してご検討するのが良いと思います。表記温度はヨーロピアン・ノームの統一基準表記にしました。
mont-bell(モンベル)ダウンハガー800 #3
Comfort:3℃、Limit:-2℃
ダウンを使用しているシュラフです。車中泊の他夏山でのキャンプなどでも年間を通して使えます。
手に取ってみると、記事が薄くてこれで‐2℃まで耐えられるのかとお壊れます。
しかし、実際に0℃の車中泊と‐2℃のキャンプで使ってみました。保温はさすがダウンです。3℃では問題なく過ごせます。
0℃では少し寒く感じます。ー2℃の時はさすがに少し寒く、シュラフの上に毛布をかけました。この温度を基に検討されると良いと思います。
mont-bell(モンベル)バロウバッグ #2 ロング
Comfort:2℃ / Limit:-4℃
化学繊維を使っているのでメンテナンスが容易でなるシュラフです。
このクラスは-4℃がLimitですから、ダウンハガー800 #3よりも寒さに強いです。その分すこし大きくなります。
寒がりの場合は、冬に使うのならばこのレベルが欲しい所です。登山する方は雪山でも使いますが、一般の私たちよりも低温で過ごせるトレーニングをしているので基準がちがいます。
NANGA(ナンガ)UDD BAG 280DX
Comfort:8℃ / Limit:4℃
超撥水加工を施したダウンが使われています。無料修理保証がありますが詳細はメーカーにご確認ください。
春先や晩秋あたりまで使える温度の範囲です。春のキャンプや秋のキャンプでは、温度差が大きいので温度のレンジが4℃あるこのシュラフは使い勝手がよいと思います。
NANGA(ナンガ)AURORA light 350 DX
Comfort:5℃ / Limit:0℃
超撥水加工を施したダウンが使われておいます。無料修理保証がありますが詳細はメーカーにご確認ください。
温度が0℃~5℃の幅があり、Limitまでが5℃あるぶんフレキシブルに使えるシュラフです。平野部の冬のキャンプでも使える範囲です。
ISUKA(イスカ)エア450X 1488
対応温度 : -6℃
日本の春から秋・冬の低山でも使えるイスカの代表的モデルです。利用範囲はひろいです。日本メーカー。
-6度の温度まで対応できるため、雪の山でも使える範囲です。車中泊では車内がマイナスになるような場合は、この対応であれば余裕をもって寝る事ができます。登山のプロが使うシュラフでもあり、耐寒性は抜群です。
*mont-bell(モンベル)、NANGA(ナンガ)、ISUKA(イスカ)は、日本のメーカーです。
道の駅「常盤大宮」で使用
2019年2月に道の駅「常磐大宮」でシュラフを使ってみました。
最低外気温:マイナス3.8℃。軽バンで車中泊
昼間は観光して、道の駅「常盤大宮」で車中泊となりました。寒の真っ最中で、袋田の滝は凍り付いています。そこから30分程で道の駅に着きます。
天気予報では、マイナス3.8℃の予想
当日は夜7:00頃に入りました。
気温が徐々に下がり始めます。予報ではマイナス3.8℃となっています。
車内では登山用のサーマレストのマットを敷き、寝袋を使用しました。
mont-bellダウンハガー800 #3のレビュー
登山用グッズで有名なモンベルのシュラフダウンハガー800 #3を使いました。
外見はペラペラの薄い感じです。
このシュラフ、見るからにウスウスで軽いので大丈夫かと思います。
シュラフを手に取ってみると、「こんなに軽く小さいの?」と驚きます。
重量は575g、スタックバックを入れて600gです。
これは、500㏄の缶ビール1本程度です。このシュラフで3℃、ー2℃まで使えるのですから羽毛は暖かいです。
ズボンをはいて、シャツにセーターとウインドブレーカー、靴下をはいてシュラフに入りました。
午前2時頃から冷えてくる。
午前2時位から徐々に冷えてきました。軽バンは金属むき出しの貨物車なので、車内のドアやピラーに触ると氷の様に冷たいのです。
今回は、窓の結露は凍りませんでしたので、女房と2人だったので室内温度が多少高くなっていたのかも知れません。
午前4時、シュラフだけでは寒い!
午前4時位からしんしんと冷えてきました。
さすがにこのシュラフだけでは寒いので、足回りにダウンジャケットをかぶせて寝ました。
これでも寝る事ができましたが、寒いのです。
寒くなったため、シュラフカバーを使う
シュラフカバーは、SUKA(イスカ)8000円クラス
寒さをしのぐために、シュラフカバーを使う事にしました。
シュラフカバーは、テント無しで寝るときや、雪中キャンプで使います。シュラフを包むようにカバーして雨露や結露からシュラフを守るためのものです。
シュラフだけでは寒かったのですが、このカバーで包むと別世界のように暑いくらいになりました。
シュラフカバーの中は、暑い!
シュラフの中は暑いのです。上半身をシュラフから出して寝ました。
シュラフ2枚を使うよりも、シュラフカバーで暖かく寝る事ができて、その機能を実感しました。
モンベルダウンハガー800#3は、この程度の気温では無理なく使えました。
まとめ
日本のアウトドアメーカーのモンベル、ナンガ、イスカの製品を紹介しました。
材質によりシュラフの販売価格は様ざまです。車中泊、キャンプ、そして災害時にも使えるシュラフを一つ備えておくと安心です。
tabito(旅人)