車中泊旅の魅力に惹かれ、これから専用車両を購入したい、あるいはレンタカーで気軽に試してみたいとお考えの60代の皆さん。
私は10年以上、軽バンとコンパクトカーでの車中泊旅を続けてきた経験から、最適な車選びのポイントをお伝えします。
2025年現在の最新モデルも含め、60代の方が快適に使える車中泊向け車両選びを徹底解説します。
60代の車中泊に求められる車の条件

重視すべき3つの要素
60代で車中泊を始める際に特に重視したいのは、「乗り降りのしやすさ」「寝心地の良さ」「運転のしやすさ」です。若い頃と違い、体の柔軟性や疲労回復力が変わってくるため、無理なく楽しめる環境づくりが大切です。
「最小限の装備で最大限の自由を」という私の信条は、60代の方にこそ実践していただきたいもの。複雑な装備や大きすぎる車両は、かえってメンテナンスや運転の負担になることがあります。
経済性と維持費
購入費用だけでなく、燃費や税金、保険料なども考慮しましょう。特に軽自動車は維持費の面で大きなメリットがあります。2025年現在、ガソリン価格の高騰を考えると、ハイブリッドモデルも選択肢として魅力的です。
おすすめの軽自動車タイプと選定ポイント
軽バンタイプ

N-VAN(ホンダ) – 2024年末にマイナーチェンジし、さらに荷室の使い勝手が向上。助手席が倒れてフラットになるモデルがあり、シングルベッドとして十分なスペースを確保できます。燃費も良く、60代の方でも運転しやすい視界の良さが特徴です。
エブリイ(スズキ) – 車中泊の定番として長年支持されています。2025年モデルでは安全装備が充実し、後部座席の取り外しも簡単になりました。天井高があるため、座った状態での車内での活動もしやすいです。
軽SUVタイプ

ハスラー(スズキ) – 2025年モデルは車内空間をより有効活用できるようシート構造が改良されています。後部座席を倒すと長さ180cm弱の就寝スペースができ、比較的高齢の方でも乗り降りしやすい座高が特徴です。
タフト(ダイハツ) – コンパクトながら車内高があり、後部座席を倒せば十分な就寝スペースを確保できます。最近のモデルは断熱性能も向上し、四季を通じて快適に過ごせる工夫がされています。
コンパクトカーの選び方と注目モデル

長距離移動が多い場合や、より広い室内空間が必要な方には、コンパクトカーがおすすめです。
ヤリス(トヨタ) – 2025年モデルは燃費性能がさらに向上し、車内空間も効率的に使えるようになりました。特にハイブリッドモデルは燃費が良く、長距離移動の経済性に優れています。
フィット(ホンダ) – 私がパッソと並んで愛用してきた車種です。「ウルトラシート」と呼ばれる後部座席の可動域が広く、車中泊のアレンジがしやすいのが特徴。2025年モデルは安全機能が強化され、60代でも安心して運転できます。
ノート(日産) – e-POWERシステムによる静かな走行と優れた燃費性能が特徴です。車内の遮音性も高く、休息の質を重視する60代の方に適しています。リアシートを倒した際のフラット性も向上しています。
レンタカーで車中泊を試すコツ

購入前に車中泊を体験したい方には、レンタカーでの試行をおすすめします。
レンタカー選びのポイント
- 事前に室内寸法を確認する(特に荷室長)
- 軽バンやミニバンなど、シートアレンジがしやすいモデルを選ぶ
- 2〜3日程度の短期間で試してみる
- 可能であれば、検討している購入候補車種と同じものをレンタルする
準備すべきもの
- 簡易マット(ヨガマットで代用可)
- 寝袋や薄手の布団
- 断熱・遮光用のサンシェード
- 携帯用トイレ
これらは最小限の装備ですが、2〜3日の試行には十分です。レンタカーでの経験をもとに、自分に合った車種や必要な装備が見えてきます。
車中泊向け車両の必須装備と快適化ポイント

就寝環境の整備
車内で快適に眠るためには、「平坦性」「断熱性」「遮光性」の3点が重要です。特に60代の方は若い方よりも寝心地に敏感ですので、マットの厚みや質にこだわることをおすすめします。
私の経験では、厚さ5cm程度の高反発マットが腰への負担を軽減し、朝の目覚めが違います。2025年現在、折りたたみ式で収納しやすい車中泊専用マットも多く販売されています。
温度管理
四季を通じての温度管理は車中泊の大きな課題です。真夏と真冬は特に対策が必要です。
夏の対策:サンシェード、断熱材の貼り付け、USB扇風機(2025年モデルは静音性が向上) 冬の対策:厚手の寝袋、車用断熱シート、エンジンをかけない電気式の小型ヒーター
特に60代以上の方は体温調節機能が若い頃より低下していることが多いため、季節に応じた準備をしっかりと行いましょう。
収納システム
限られたスペースを最大限に活用するための収納システムは重要です。使いやすさと取り出しやすさを重視した設計にすることで、60代の方でも無理なく使える車内環境が作れます。
引き出し式の収納ボックスや、シートバックに取り付けるポケットオーガナイザーなどを活用すると、小物の管理がしやすくなります。
購入前に確認すべきこと

試乗と車内での動作確認
車を購入する前に、必ず以下の点を確認しましょう。
- 座席を倒して就寝姿勢をとってみる(十分な長さがあるか)
- 乗り降りの際の使いやすさ(特にステップの高さ)
- 運転席からの視界の良さ
- 小回りの利きやすさ
特に60代の方は、若い方より体の柔軟性に制限があることを考慮し、無理なく使える車かどうかを重視してください。
維持費と燃費の比較
2025年現在、燃料費は車の維持費の大きな部分を占めています。長距離移動が多い方は、ハイブリッド車や低燃費車を選ぶことで、旅の経済性が大きく変わります。
軽自動車は税金や保険料が安く、維持費の面では優位ですが、長距離走行が多い場合はコンパクトカーの方が快適な場合もあります。自分の旅のスタイルに合わせて選びましょう。
まとめ:あなたに最適な車中泊車両の選び方

60代から始める車中泊に最適な車は、「乗りやすく」「寝心地が良く」「維持しやすい」車です。
2025年の最新モデルは安全装備や燃費性能が向上しており、特に以下の点を重視して選ぶことをおすすめします:
- 乗降性と運転のしやすさ:無理なく乗り降りでき、長時間の運転でも疲れにくい車
- 就寝スペースの確保:最低でも身長+10cmの長さがあるフラットスペースが作れるもの
- 燃費と維持費:旅の頻度や距離に応じたコストパフォーマンスの良さ
私の10年以上の車中泊経験から言えることは、最初から完璧を求めず、実際に使いながら自分のスタイルを作っていくことの大切さです。まずはレンタカーで試してみて、その経験をもとに自分に合った車を選んでください。
車中泊の魅力は「自分のペースで」「気の向くままに」旅ができること。60代からの新しい旅のスタイルとして、ぜひ車中泊の世界を楽しんでください。
※この記事は2025年3月時点の情報に基づいています。車種の仕様やモデルチェンジの情報は変更される場合がありますので、購入前には最新情報をディーラーなどでご確認ください。
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