ポータブル電源の主流は高性能なリチュームイオン電池で安く手に入る様になりました。
しかし、実際にポータブル電源の性能の見方が分からない方は多いはず。
実際にどれ位の時間ポータブル電源が使えるのか、どんな機器が使えるのか?
今回は車中泊で使えるポータブル電源の時間数や能力の見方を分かりやすく解説します。
車中泊にぴったりなポータブル電源
車中泊では、駐車中にエンジンをかけたまま過ごすことはマナー違反です。
そこで使われるのがポータブル電源です。
主流はリチュームイオン電池を使ったポータブル電源。
電池の性能は高く人気があります。
理由は、コンパクトで電気の容量が大きくポータブル冷蔵庫、テレビ、パソコン、電気毛布などがつかえる便利さがあるからです。
ところが、ポータブル電源は種類が多く、記載しているスペックも多種多様です。
容量表示は各社様々で、どんな容量のポータブル電源を購入したらよいかがわかりません。
そもそも「ポータブル電源」とはなに?
ポータブル電源は多くのメーカーから販売されています。
ポータブル電源の中身には「リチュームイオン電池」が入っています。
使う前に家のコンセントにつないで充電してから車中泊に持っていきます。
また、ソーラーパネルをつないで充電することも出来るし、車のシガー電源から走行中に充電することもできるすぐれもの。
中身はリチュームイオン電池なのでメリットが多くあります。
しかしデメリットもあります。
そこでリチュームイオン電池の特長をメリットとデメリットから解説します。
リチュームイオン電池のメリット・デメリット
車中泊で主流のポータブル電源には「リチュームイオン電池」が内蔵されています。
リチュームイオン電池のメリットとデメリットを説明します。
リチュームイオン電池のメリット
- 鉛バッテリーに対して軽い
- 500回以上の充放電の耐久性
- 自己放電の容量低下は少ない
- -40℃から85℃で使用可能。寒冷地の利用にも適している
ガソリン車に使われているのが鉛バッテリーで重量があります。
同じバッテリーの容量だと圧倒的にリチュームイオン電池を使ったポータブル電源が軽いです。
一般的に充電・放電は500回以上の耐久性があるのも大きな特徴。
自己放電による電気容量の低下がとっても少ないです。
つまりしばらく放置していても電圧が下がることは少ないと言えます。
また、-40℃から使えるので冬山登山で使うカメラなどに使用されるなど寒冷地の利用に適しているメリットがあります。
リチュームイオン電池のデメリット
- レアメタルなど特殊素材が必要で値段が高い。
- 発熱・発火・爆発の危険防止の為、安全回路が必ず必要
リチュームイオン電池にはレアメタルなどの高価な素材が使われるため値段が高くなります。
また、ニュースでも報道されているように、強い衝撃を与えると爆発したり発火したりする事例もあります。
ポータブル電源では安全回路を内蔵していて発熱、発火、爆発の危険を防止しています。
ポータブル電源「リチュームイオン電池」の特徴
リチュームイオン電池は、軽くて容量があり寒冷地でも使える特徴があります。
従来は自動車用の鉛バッテリーを自作して使っている方も多かったのです。
しかしコンパクトな大きさと軽さから、今ではポータブル電源を選ぶキャンパーが主流です。
ガソリン車で使われている安価な鉛バッテリーは、使わないで置くと自然に電圧が下ります。
これを自己放電と言います。
なので月に1回は充電をする必要があります。
リチュームイオンバッテリーは、自己放電が殆ど皆無。
極端な例では1年たっても電圧はさがりません。
例えば1年以上使わなかったスマホの電源をオンにすると、当時の充電状況のまま減っていないことに気が付きます。
電圧が下がらない特徴なのです。
しかしデメリットは、リチュームイオン電池は発熱・発火・爆発という危険が伴うことです。
これらの危険をコントロールするデバイスが電源と一緒に格納されていて安全を確保しています。
ポータブル電源の容量の見方
ポータブル電源は大容量から小容量まで選ぶことができます。
ではどのように容量をみたらいいのでしょうか?
ポータブル電源の容量の基本的な計算方法
まずはおさらい!
物理の勉強になりますが、昔習いましたね。
電圧(V)と電流(A)をかけるとワット(W)になります。
- 電圧(V) × 電流(A) = 電力(W)
- 1,000mA ⇒ 1A
例えば、ある機器が電圧12Vで動かすと電流が3Aだったとします。
消費電力は12V×3A=36Wです。
36Wの機器を1時間(1h)使うと36w×1h=36whと表示します。
「Jackery ポータブル電源 400」の場合
実際に販売されているポータブル電源を事例に解説します。
例えばアマゾンで売っているポータブル電源「Jackery ポータブル電源 400」について解説します。
この製品の紹介には次のように表示してあります。
容量が「112200mAh/400Wh」と表示されています。
これは何をあらわしているのか説明します。
容量が「112200mAh/400Wh」とは?
1,000mA ⇒ 1A なので、
112200mAhの単位mAをAにすると、⇒ 112.2Ah です。
これは、消費電流112.2 Aを1時間使える容量のことです。
これを1時間の消費電力「Wh」に変換してみます。
リチュームイオン電池の電圧は、約3.7Vです。
3.7V × 112.2Ah = 415.14Wh
約400Whです。
なのでJackery ポータブル電源 400の表記に「400Wh」とも書いてあります。
つまり、「112200mAh」「400Wh」は同じ電気の容量を単位を変えて表示しているだけといえます。
「Jackery ポータブル電源 400Wh」は何時間使える?
この400Whを全容量使ったとして計算します。
例えば「消費電力40wh」のポータブル冷蔵庫を「Jackery ポータブル電源 400Wh」につないで使ったとします。
このポータブル冷蔵庫の消費電力は約40whなので、1時間に40W使う機器です。
機器の消費電力は、説明書や機器の裏側に表示されています。
Jackery ポータブル電源 400Whを使います。
この計算を簡単に説明すると、
例えば400W入ったバケツから1時間に40Wずつ取り出すと何時間で空っぽになるかという計算です。
400Wh÷40W=12.5h つまり12.5時間で空っぽになる計算です。
しかし、実際にはバッテリーを100%使うと劣化するので、60%程度の使用量で計算します。
400Wh × 60% = 240Wh
240Wh ÷ 40W = 6時間
この様な計算になります。
DC12Vで消費電力40whの機器を、Jackery ポータブル電源 400Whの12Vにつないで使うと約6時間使える計算です。(容量の60%だけを使った場合)
消費電力が平均20Whなら、12時間程度使えます。
「Jackery ポータブル電源 400」の説明書によると次に用に記載されています。
液晶ライト(5W)が約69.6時間、ノートパソコン(50W)が約6-7回、小型ドロンが約6-7回、携帯電話(12W)が約35-40回、ミニ冷蔵庫(40W)が約8.5-12時間使用できます。
引用:Jackery ポータブル電源 400
Jackery ポータブル電源 400の表示は数字から見ると100%使いきった場合のMAXの時間だと考えます。
理由は40Wの冷蔵庫が12時間まで使えるとしているから。
実際に空っぽになるのは12.5時間なので、少し前までの時間としているようです。
ポータブル電源の選び方
ポータブル電源を選ぶ時には、使いたい機器に容量(Wh)をチェックして何時間使えるのかをある程度知っていることが大事です。
理由は、途中で電源が無くなると困るからです。
ポータブル電源の説明では、最近実際の機器をつないだ時にどれ位使えるかの説明が公開されています。
その通りに使うと100%使いきるので、少し余裕をもって使うことが大切。
- スマホやモバイルwifiの充電だけでいい。
- 冷蔵庫も使いたい
- 電気毛布も使いたい
- ポータブルテレビを見たい
- PCを使いたい
- ネットでドラマを見たい
- お湯を沸かしたい
このような利用には、それに対応した容量を持つポータブル電源が必要になります。
1泊2日~2泊3日程度の車中泊で、夜の照明、スマホの充電、PCの利用程度であれば、Jackery ポータブル電源 400程度の小さなタイプでも十分使えます。
Jackery ポータブル電源 400の解説
Jackery(ジャクリ)ブランドを解説します。
創立メンバーにはAppleの元バッテリーエンジニアが参加しています。
設立は2012年、米国Jackery Inc。
「Jackery」の語源は「Jacket」と「Battery」を組み合わせた造語。
由来は「まるで身に着けるように、バッテリーを簡単に使えるようにしたい」という思いがあったといいます。
研究開発により、2015年:リチウムポータブル電源を開発、2019年:日本法人 株式会社Jackery Japanを設立。
「Jackery」のポータブル電源は、安心して使えるポータブル電源と言えます。
まとめ
車中泊用に適した、ポータブル電源の容量の見方と使える時間数を解説しました。
車中泊では使う電気製品により選ぶ電池の容量が変わってきます。
冷蔵庫やパソコン、DVDプレーヤー、スマホの充電、車内の照明等広い用途で使えます。
車中泊のスタイルに適した容量のポータブル電源を選び、車中泊を楽しみましょう。