軽バンの中から、後部のバックドアをワンタッチで開閉したいと悩んでいました。しかし、中古の軽バンではその機能がありません。
なんとか内側からバックドアを開閉できなかと検討し改造しました。
そして、実際に車中泊で使ってみたらとても便利でした。その簡単な改造方法を紹介します。
改造に当たっては、走行中に開かないなどの対策もあわせて講じる必要がありますので、その事も含めて説明します。
内側から開閉したい理由
バックドアを内側から開閉したい理由をまとめてみました。車中泊を繰り返す中でこんな時に内側からバックドアが開いたらいいのにと思ったことがきっかけです。
雨の日に内側から開けたい
雨が降っている日は、外に出ないでバックドアを開けたい時があります。バックドアを少し開けると、車内でバーバーを使ってお湯を沸かす時には換気になるからです。
雨の日は通常、運転席・助手席あるいは後部座席からカサをさして一旦外に出てから後ろにまわりバックドアを開けます。
雨が土砂降りの時は、特に外に出たくありませんので内側からバックドアを開閉できればとても便利になります。
換気の為に内側から開けたい
車中泊をしていて朝や夜にお湯を沸かしたりレトルト食品を温めたりとバーナーやコンロを車内で使用する場合があります。
こんな時はだいたい寝起きかゆったりとしている場合が多く、ラフな格好だったりして外にでたくありません。
まして隣に車が駐車している場合などは、なおさら出たくありません。中からバックドアを少し開けて換気が出来れば便利です。
いちいち外に出ないで開けたい
雨の日に外に出るにはバックドアから出たほうが便利なことがあります。それは、内側からバックドアを開けると屋根になり雨をよけることができます。
その下で仕事をしたり準備をしたり、カッパをきがえたりと雨に濡れずに作業ができるので便利です。
空けたら内側から閉めたい
最大の機能は内側から閉める事ができることです。
バックドアを開けたけれど、閉める時にバックドアが跳ね上がっているため、外に出ないと開いたバックドアを閉める事ができないことがあります。
そこで、開いて跳ね上がってバックドアを内側から簡単に閉めることができれば便利です。内側から、閉められる方法が欲しかった。
バックドアを内側から開閉する装置の作り方
開閉ボタンを作る
バックドアの開閉装置を観察する。
内側から開閉するには、バックドアの仕組みを知る必要があります。
バックドアのパネルを外して調べます。日産クリッパーバンの場合は、バックドアのパネルを外します。
プラスティックのへらをすき間にいれて持ち上げ、引っ張ると「ポキッ」と外れます。壊さないように慎重に外します。
注意点は、外からの空気流入を防ぐためにビニールが張ってあります。このビニールは重要なのでなるべく穴を空けないようにしましょう。
ビニールを貼りつけている黒いネバネバしたゴムの様なものは、周りや手に着くとなかなか取れません。慎重に扱いましょう。
板が外れると中が出てきます。ビニールで覆われていることがわかります。その中を観察すると、バックドアの装置が見えてきます。その近辺のビニールを必要最低限の範囲を破ります。
どこを押せば開くかを確認する
どんな仕組みか確認します。車種によって構造は違います。
ビニールに穴を空けた部分が、バックドアのロック部分です。
左のシャフトが見えますが、これは自動ドアロックのオンオフによって上下して、バックドアのロックの開閉をする装置です。
このシャフトが、バックロアのロック部分につながっていて、ドアのロックを開閉します。
穴を空けたたあたりを確認しながら指で押し下げると、ロックが外れてバックドアが開きます。
ここのボルトにボタン代わりにナットを追加しました。この部分を押してドアを開ける仕組みです。
内側からボタン操作できるように穴をあける
バックドアのパネルにカッターで穴を四角にあけて、開閉する窓をつくります。
車内からこの窓に指をいれてボタンを下げると、バックドアが油圧で自動で跳ね上がります。
ドア付近に荷物があると、バックドアが開いたときに車から落下してしまいますので開けるときは気を付けましょう。
安全装置をつくる。
走行中にこの窓になにかが当たったり、子供がいたずらしたりして、誤ってボタンを押し、走行中の路上に投げ出されないに安全装置を付ける必要があります。
方法は開閉ボタン用の窓にフタを作り、フタを空けない限りバックドアが開かないように作ります。内側から物が当たっても開かないので安全になります。
小さなお子様は、フタを空けることもあるかも知れません。同乗される場合はチャイルドシートにしっかり座る事が重要です。
バックドアを閉める装置
内側からバックドアを閉める装置を作ります。
方法はバックドアにロープを取付けて、跳ね上がっているバックドアを内側から引っ張る仕組みを作ることです。
バックドアがいったん開いてフルに跳ね上がった状態だと、相当な力が必要で内側からなかなか閉まりません。
強く引っ張れる頑丈な仕組みが必要となります。
ロープを利用する
ボートのアンカー用のクレモナロープがあったので使いました。8mmの太いロープです。1m当り200円前後でしょうか。
左の写真にようにバックドアの適当な予備の穴に丈夫なステンレスフックを付けました。
ここにロープを付けて内側から引っ張る仕組みです。
この様にフックを取付けたら、カバーをはめるので、カバーにもフックが通る位の穴を空けて、フックがカバーの外に出る様にします。
次に、フックにロープを取付けます。ここが重要な調整場所です。
このロープは長いので、開閉時にバックドアに挟まってしまします。
そこで、ロープがバックドアの下までたるまないように、途中から別のロープ(写真では黄色いロープ)で吊り上げておきます。
こんな感じです。適当な場所を利用して調整しておきます。すると、閉めた時にバックドアのすき間にロープは巻き込まれて挟まらなくなります。
バックドアを引っ張って占めるには結構力がいります。
油圧ダンパーが効いているからです。フルオープンから引っ張って占めるには頑丈なロープが必要ですので、しっかりしたロープを探してください。
やわな紐では、切れてしまいます。
バックドアを半開きで使う工夫
道の駅や公園では、気が小さいのでフルオープンで使う勇気がありません。
20センチ位開ければよい時もあります。でも、ロープがあってもバックドアはそこで止まってくれないのです。力が意外と強いからです。
ロープで止めても、風が吹くと跳ね上がってしまうことがありました。
そこで内側から、それ以上空かなくなる仕組みが必要です。
それが、写真の様なアルミパイプで作ったストッパーです。どんな材料でも仕組みが同じならOKです。
この様に片方を車体のストッパーに引っ掛けます。
反対側は、バックドアのロック部分に「カチッ」とロックされるようにします。車体側のストッパーがロックに引っかかるのと同じ構造の棒を作るのです。
下の様な形状です。
材料は、使わなそこらへんにあるもので作りました。アルミパイプが余っていたので、2か所をまげて部品を作りました。
棒の長さは、開く幅となります。これをバックドアのフックと車体のフックの間に入れるとドア側のロックが効いてうまく止まり外れません。
そとからは、車の自動ロックを外さないと開けられません。
でも、内側からは、ロックされていてもボタンを押せば、ロックが外れてストッパーは、簡単に外せます。
ロープもそれ以上開かないように、止めておけば風が吹いても問題はありません。
繰り返しますが、閉める時は、ロックボタンを内側から押すと、この棒は外れてバックドアを閉める事ができる便利な構造です。
使用結果
実際に東北一周、西日本~九州一周で使いましたが、とたも便利でした。
2018年10月の台風25号の時に舞鶴港に避難しましたが、雨で外に出れなかったのでこの装置は換気するための隙間作りにとて役立ちました。
下の写真では、まだ取付ける前のバックドアです。なので、その度に外に出てから開閉したり空き具合を調整したりと面倒だったのです。
なので、海や山間部で休んだときは、内側から開閉できれば便利と思ったのがきっかけとなりました。
まとめ
バックドアの開閉の仕組みを調べるのは車を分解するので勇気がいります。
中古車だったので思いっきり破いたり、穴をあけたりとタメラウことなく改造しています。
新車だとちょっと・・・と、なりますが、便利なので参考にしてください。
改造する時は、自己責任で慎重に設計し安全性の確保が必須です。整備工場と相談して進めてはいかがでしょうか。
tabito(旅人)