車中泊の旅でソーラー発電は実用になるのでしょうか?
今回は小さな軽バンにソーラー発電を取付けて車中泊で便利に使う方法を紹介します。
具体的にはソーラー発電を取付け方、電気の使い方、ソーラーのメリット、デメリットを解説します。
当記事を読めば軽バンに安い金額でソーラー発電を設置して便利に利用することができます。
軽バンの車中泊でソーラー発電を使う理由
はじめに軽バンでソーラー発電を使う理由について説明します。
軽バンのエンジンは660㏄で出力が小さいため、発電機に負担をかけないためにはエンジンと切り離した発電システムを使います。
ソーラー発電を使う理由はここにあります。
つまり、エンジンで発電した電気は走行用に利用し、車中泊で居住用に使う電気はエンジンをは別のシステムにすることです。
その方法にはさらに2つあります。
一つはポータブル電源を使う方法で、自宅で充電して軽バンに積み込んで使う方法です。
もう一つは今回紹介するソーラー発電を利用する方法です。
これら2つの方法の中で選んだのがソーラー発電で得た電力を使う方法です。
理由は次のメリットの項目で詳しく説明します。
ソーラー発電を使うメリットとは?
車中泊でソーラー発電を使うメリットは次の3つあります。
- ソーラーの機器はシンプル
- ソーラー発電は安価な金額で可能
- 放置しているだけで充電できる
ソーラー発電のメリット3つを順番に説明します。
ソーラー発電の機器はシンプル
ソーラー発電の機器はとってもシンプルと言えます。
- ソーラーパネル 1枚約1万円~2万円程度
- コントローラー 数千円程度
- バッテリー 数千円~数万円まで幅広い
必要な機器はソーラーパネルとコントローラー、それに発電した電気をためるバッテリーです。
接続方法も簡単で、初心者でも説明書通りにそれぞれの機器をつないて発電させるまで30分もかかりません。
ソーラーパネルは様々なサイズと発電量があります。
ぼくが選んだのは1枚50Wのソーラーパネルをはじめは1枚でしたが、後からもう1枚追加して、2枚使いました。
下の写真で左側の黒いのがソーラーバッテリーです。右のカゴに取付けたのがコントローラーです。
コントローラは、ソーラーパネルとバッテリーをつないで発電した電気を管理する役割をします。
ソーラー発電は安価な金額で可能
ソーラー発電の2つ目のメリットは、先に説明した通り機器が安く手に入ることです。
3万円以内でも車中泊で使う電気を賄えるシステムを作ることが可能です。
ぼくは廃バッテリーを利用したときは、1万円台で作ることができました。
単結晶ソーラーパネル、チャージコントローラー、バッテリー、専用ケーブル類で安いネットショップでは2万円以下で購入が可能です。
ソーラーパネルの大きさは、約80㎝×60㎝位が目安ですが様々なサイズがあります。上の写真を見て頂くと想像できると思います。バッテリーも意外と小さく邪魔になりません。
はじめてでも心配はいりません。
実際に繋いで動かしてみると面白い程に分かってきます。
「習うより慣れろ」ですね^^
放置しているだけで充電できるソーラー発電
3つ目のメリットは、ソーラー発電は放置しているだけでバッテリーに充電してくれることです。
いちいち家の100Vにつないで充電する必要もありません。
また走行充電するタイプもありますが、車中泊で道の駅や公園に駐車していてもソーラーは発電してくれます。
もちろん走行中も発電をしてくれるので、昼の充電で夜の電気は賄えるメリットがあります。
ソーラー発電にはデメリットもある
ソーラー発電のデメリットは、自然エネルギーだから、晴れていないとソーラー発電しないこと。
つまり、雨や曇りでどんよりした空では発電量が微々たるものになってバッテリーへの充電が期待できないことです。
軽バンにソーラー発電を取付ける方法
実際にソーラー発電をするためのやり方を説明します。
準備するもの
- ソーラーパネル 50Wか100Wを1~2枚 必要に応じて
- コントローラー 1台
- 接続ケーブル
- バッテリー 1台
- 軽バン用のベースキャリア(オークションで5000円)
ソーラーパネルセットが便利
ソーラーパネルとコントローラー、接続ケーブル、バッテリーがセットになった商品が多数販売されています。
バラバラで用意するよりも安価に手に入るのでセットがおすすめです。
ぼくが選んだソーラーパネルセットは以下のものです。
- 50Wのソーラーパネル1枚
- コントローラー(*セットに含まれる)
- 接続ケーブル(*セットに含まれる)
- ディープサイクルバッテリー(20Ah)
を使います。
ソーラーパネルで50Wを選んだ理由は、実際に先輩方が使って実用になったことをリサーチしたからです。
50Wのソーラーパネルがあれば、20Ahのバッテリーは晴天なら1日で満充電することが可能だからです。
参考にぼくが現在も使っているカウスメディアの製品がありますので、接続やバッテリーなどの購入する金額の目安にするといいと思います。
ソーラーパネルの取り付け方
軽バン用のベースキャリアに取り付けてから、軽バンのルーフに取り付けます。
写真は、地上でまずソーラーパネルを2枚並べてベースキャリアに取り付けます。
次に軽バンの屋根にソーラーパネルを取り付けたルーフキャリアをのせて固定します。
そのあとにソーラーパネルとコントローラー、バッテリーをセットに付属している接続ケーブルを使って接続します。
コントローラーはソーラーパネル1枚に1台を接続します。
コントローラーから充電するバッテリーに繋ぎます。
これだけでバッテリーの充電がスタートして、どんどん充電しますが、一杯になるとコントローラーが制御して安全に管理してくれます。
過充電による火災や発熱などの心配は不要ですから、放置して置けは自動的に充電を繰り返します。
ソーラー発電用のバッテリーの選定方法
ディープサイクルバッテリーを使います。
ディーㇷ゚サイクルバッテリー20Ahとは、普通の車用バッテリーではなく密閉されたバッテリーで水素ガスが発生しません。
充電しても水素ガスが発生しないので、安心して車内にセットすることができます。
また繰り返し充電の適しています。
普通の自動車用のバッテリーだと充電中に水素が発生するので、密閉された車内では危険ですから初心者の方には勧めません。
電圧がかなり下がっても充電すると元に戻るのが早い特徴がありソーラーに適したバッテリーです。
ソーラー発電を使った結果はどう?
50wソーラーパネル1枚で十分なバッテリーに充電ができて車中泊の夜を過ごすことが可能でした。
ソーラーパネル50W1枚と20Ahのバッテリーで可能なこと
ここまでの説明では50Wのソーラーパネルを2枚使いました。
理由は1枚はサブのバックアップ用として設置したからです。
なので皆さんはソーラーパネル50Wが1枚とディープサイクルバッテリー20Ahが1台あれば次のようなことが可能です。
- スマホ2台を1日に2回充電したが全く問題なし。40%前後からの充電です。
- USB扇風機を2台を一晩使ったが問題なし。
- 室内灯(100均のUSB電球1つ)夜4時間利用したが問題なし。かなり明るい。
- 機種変で使わなくなったスマホ(テレビ用)1回充電。
- ミラーレスカメラのUSB充電1回
- 車内USB常夜灯を24時間付けっぱなしで、現在5か月目で稼働中。
(1)~(5)を同時に使うわけではなく、時差もありますし、その間昼はソーラーがバッテリーに充電するので、使いながら充電というルーチンです。
バッテリーが無くなったという事はありませんでした。
50Wソーラーパネル1枚で6時間でバッテリーが満充電
50w発電するソーラーパネルなのに40wしか実際には発電しません。
効率は80%位でしょうか。
12V20Ahのバッテリーは容量が240Wですから大雑把にみて、6時間で満充電となります。
昼の移動中だけでバッテリーは満充電!
昼間に次の目的地へと移動中にソーラー発電でバッテリーは満充電になります。
難しいことは後ほど学ぶとして、バッテリー240whを消費電力45whの家庭用テレビを見ると240wh÷45wh=5.3時間。
理論上は約5時間見る事が出来る感覚です。
インバータを使ってAC100V試したことあります。
36Ahのバッテリーに150Wのインバータを繋いで20インチ(消費電力47W)を2時間見たことがあります。
電圧は13.6V(満充電)が12.4Vに落ちました。
バッテリーの30%位消費した計算でしょうか。
ソーラーパネルを2枚に増設した理由とメリット
ソーラーパネルを2枚使い同じシステムを2つ作った理由は、故障した場合のバックアップの為です。
また、雨天や曇りで一方のバッテリーを使い果たした場合にももう一方のソーラーシステムを使うことができます。
コントローラーからUSB電気が直接取れるソケットが2つ付いています。ぼくの場合は電気を全てUAB化しています。
スマホもカメラもタブレットも照明器具、換気ファンなどは全てUSB電源を使うように統一しました。
ソーラー発電を車中泊で使ってみた体験談
軽バンにソーラーパネル50wを取付けた効果について紹介します。
現在2セットで運用していますが、電力は余り気味です。
冷蔵庫や大型テレビ等を設置する場合は、200wソーラーで105Ahのバッテリ―2台と1500wのインバータでも足りません。
発電機を積むか、走行充電と併用するか、リチュームイオンの最新版のバッテリーを入れれば家庭用クーラーも可能でしょう。
しかし、軽バンでの車中泊の旅では、それほどたくさんの電力を使わないです。
能登半島一周を回る車中泊1,200kmの旅
2024年元旦の能登半島地震で被災された方にお見舞い申し上げます。
ぼくたち夫婦は能登半島を回る旅を経験してきたので今回の震災に心が痛い思いです。
旅でお世話になった皆様のいち早い復興を心からお祈りしています。
さて能登の旅では50wソーラーパネル1枚でも1200㎞の車中泊では十分な電気量を賄えました。
車旅で電力を賄うために軽バンにソーラーパネル50W1枚を取り付けました。
千葉、山梨、長野、岐阜、能登半島を経由し新潟から千葉の自宅まで1200Kmでした。
この時は夫婦2人での旅でしたが、ソーラーパネル1枚だけでも全く問題はありませんでした。
九州まで日本縦断3,740Kmの車中泊の旅
九州最南端まで日本縦断の車中泊では、途中で台風に遭遇しました。
ソーラーシステムを2つ持っていたことが役立ちました。
台風25号通過時は曇りのち雨で京都舞鶴港に退避。
ここではソーラーパネルのサブシステムが効果を発揮した。
50wソーラー2枚と20Ahバッテリー2台で九州最南端まで日本縦断3740㎞の車中泊の旅をしました。
10月京都舞鶴港で台風25号に遭遇。直撃をさけるため待機しました。
1日目は台風で雨天でソーラー発電はできません。
夕方から舞鶴港で車中待機したことでバッテリー電気を使ったため、PM10時ころにメインシステムの電圧はギリギリです。
そこで、バックアップ用のサブソーラーシステムに切り替え一晩中照明と扇風機2台を使いました。
2日目は朝から台風の影響で外に出られず中での作業です。
バックアップ用のバッテリーは午後までもちました。
その間、雨の中でもAのバッテリーは90%まで回復し夕方から翌朝までもちました。
3日目朝、台風も去り、舞鶴を出発しました。サブのソーラーシステムが満充電となっていると安心感がありました。
ソーラー発電は天気に影響されるため、片方が使い果たしてもバックアップ用にもう一つがいつも満充電となっていると安心ですね。
【車中泊で便利なグッズをご紹介】
車中泊用ソーラー発電(まとめ)
車中泊の旅でソーラー発電は実用になるのか?が本記事のテーマでした。
今回は小さな軽バンにソーラー発電を取付けて車中泊で便利に使う方法を解説しました。
具体的にはソーラー発電を取付け方、電気の使い方、ソーラーのメリット、デメリットまでを網羅しましたので参考になればうれしいです。
tabito(旅人)