「車中泊ブーム」が高まったここ数年。自由気ままに旅を楽しめる一方で、マナー問題や施設側の制限により、以前ほど気軽にできなくなってきています。
- 道の駅 → 「長時間駐車・宿泊は不可」と掲示する施設が増加
- 高速道路SA/PA → 仮眠程度は黙認されるが、宿泊目的は禁止が基本
- 公園や河川敷 → 治安や安全上の理由から規制が強化
そんな中で注目を集めているのが コンビニでの車中泊 です。
コンビニは24時間営業、店員が常駐、防犯カメラ完備。飲食やトイレもすぐ利用できるというメリットから、安心して短時間休む場所として魅力的な存在です。
2025年7月からローソンで始まった取り組みを紹介します。
車中泊が難しくなった背景

道の駅や公共施設の制限
全国に1,200カ所以上ある道の駅は、かつては車中泊旅行者の強い味方でした。しかし、トイレの使い方が悪い、ゴミの放置、騒音問題など、利用者のマナー低下が原因で「宿泊禁止」を明確に掲示する場所が増加しています。
キャンプ場の利用料の高騰
オートキャンプ場は快適な車中泊環境を提供しますが、料金が高め。1泊で2,000〜5,000円、繁忙期はそれ以上かかる場合もあります。
治安・安全の懸念
河川敷や公園などでの車中泊はトラブルに巻き込まれるリスクも。特に女性やソロキャンパーには不安材料です。
コンビニ車中泊のメリット

- 安心感と防犯性
店員や防犯カメラがあり、人の目がある環境なので深夜でも安心。 - 低コスト
基本的に駐車料は不要。食事や飲み物の購入費だけで済みます。 - 利便性の高さ
温かいコーヒーや軽食、弁当まで手軽に入手可能。忘れ物や急な補給にも便利。 - 清潔なトイレ
24時間利用できる清掃されたトイレがあるのは大きな魅力です。
ローソンが千葉県で「車中泊サービス」を提供

実際にコンビニが車中泊を提供している事例を紹介します。
RVパーク ローソンの車中泊サービス(千葉県内)
2025年7月から、ローソンが全国のコンビニで初めて車中泊サービスを試験的に導入しました。
この取り組みは「RVパーク ローソン」というブランドで展開され、今後全国展開も検討されています。
オートキャンプ場より安く、道の駅より安心という「中間的な選択肢」として注目度大。
「RVパーク ローソン」の実証実験を7月14日から開始しています。
現時点では各店舗1台としています。
参考サイト:ローソン
対象店舗(7店舗)
- 一宮東浪見(いちのみやとらみ)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
- 御宿新町(おんじゅくしんまち)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
- 天津小湊(あまつこみなと)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
- 富浦インター(とみうらインター)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
- 南房総岩井海岸(みなみぼうそういわいかいがん)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
- 富津湊(ふっつみなと)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
- 館山山本(たてやまやまもと)店:1泊2,500円 〜 /1台、利用可能台数1台
料金
1泊 2,500〜(税込)
提供内容
- チェックイン:18時〜21時
- チェックアウト:翌朝9時
- ゴミ袋1枚の提供、生ごみ処理
- 電源ドラム貸し出し(携帯充電や電気製品利用に便利)
- 駐車スペース確保
予約方法
日本RV協会が運営する「RVパーク」専用サイトから事前予約制。
他のコンビニチェーンの現状
- セブンイレブン・ファミリーマートなど
現在、公式な「車中泊サービス」は未実施。基本的には「短時間の駐車利用」を前提にしており、長時間の滞在は営業妨害となる可能性があります。 - 無断駐車によるトラブル事例
これは極端な例ですが、大阪府のコンビニでは、無断で駐車場を長期間利用した業者に対して「920万円の損害賠償」が命じられたケースもありました。無断利用はリスクが高いことを示しています。出典:産経デジタル
コンビニ車中泊の実践ポイント

1. 店員に声をかける
「少し仮眠を取りたいのですが…」と一声かけると安心。トラブル回避になります。
2. 購買で感謝を示す
トイレだけ使って去るのはマナー違反。飲み物や軽食を購入して「お客様」として利用しましょう。
3. 駐車場所の配慮
店舗出入口や搬入口付近を避け、他の利用者の迷惑にならない場所に停めること。
4. 騒音・排ガスを出さない
アイドリングを続けると迷惑。暑さ・寒さ対策はポータブル電源やサンシェードなどを活用。
5. 長時間滞在を避ける
あくまで許可を得てから「仮眠」の延長として利用する意識を。宿泊目的の長期滞在はトラブルのもとです。
まとめ
- 道の駅やSAでは「宿泊禁止」が増え、車中泊は難しくなっています。
- そんな中、ローソンの有料車中泊サービス(千葉県内6店舗/1泊2,500〜3,000円) は新しい選択肢として大注目。
- 他のコンビニチェーンでは車中泊サービスはなく、無断長時間利用はトラブルの原因に。
- 利用する場合は必ずマナーを守り、店側への配慮を忘れないことが大切です。
コンビニ車中泊は「便利で安心」ですが、「仮眠の場」として使う意識を持ち、今後拡大する公式サービスの動向にも注目しましょう。