私達が必ず迎える高齢と免許返納。勘違いや操作ミスでの事故が多くなる高齢ドライバー。シニアカーは究極の「旅」の乗り物になるのでは。
高齢ドライバーの死亡事故件数
内閣府の調査では、「75歳以上の運転者の死亡事故件数は,75歳未満の運転者と比較して,免許人口10万人当たりの件数が2倍以上多く発生している」と報告されています。

75才以上の免許保有者は平成28年度末で513万人います。
年々増加傾向にあり、平成28年末の段階では平成27年よりも7.3%(35万人)の増加となっています。
事故の要因
以下に内閣府が事故の要因を調べた結果が公表されています。知らず知らずのうちに、年を重ねるごとにこの様な要因が増えていくのですね。
・視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり,判断に適切さを欠くようになること
・反射神経が鈍くなること等によって,とっさの対応が遅れること
・体力の全体的な衰え等から,運転操作が不的確になったり,長時間にわたる運転継続が難しくなったりすること
・運転が自分本位になり,交通環境を客観的に把握することが難しくなること
引用:内閣府平成29年交通安全白書
近い将来やってくる免許返納
誰しも訪れる高齢時代。事故を起こす前に免許を返納する勇気も必要ですね。
車旅や車中泊を楽しむことが出来る時期は、個人差もありますがリタイア後は10年~15年位ではないでしょうか。
ある自動車整備工場のエンジニアの話
男の人が仕事を定年退職した時は、まだ60代と若く車の運転を継続する人は普通に多くいます。
しかし、70才を過ぎるころから免許を返納して車を手放した方の多くは、生きるエネルギーが無くなりやる気を失う方が多いそうです。
車はいくつになっても、運転したいものでなのですね。
シニアカーという選択肢
高齢になって自動車免許を返納し、車も手放したら「車旅」は無理でしょうか?
近所に買い物という「車旅」をシニアカーで実現する選択肢もあります。
シニアカーとはなにか
よく耳にする「シニアカー」、「電動カート」、「セニアカー」等の名称違いは以下の通りです。
◆「シニアカー」:主に高齢者向けの座りながら移動ができる電動車椅子。
◆「電動カート」:遊園地のゴーカート、子供の玩具等の広義のもの。
◆「セニアカー」:、自動車会社のスズキが商標登録し、製造・販売しているシニアカーの名称。
「シニアカー」は分類としては「電動カート」の一部ということになっています。
その1.シニアカーは、歩行者扱いです。
シニアカーにはハンドルがついていて電動で走るので、自転車や原動機付自転車と同じ仲間と思われがちです。
しかし、道路交通法では歩行者と同じ扱いとなっています。なので、歩行者として歩道を走行できます。
その2.シニアカーは、運転免許が不要です。
分類としては歩行者扱いなので、運転免許が要らないのです。
歩行者と同じ扱いなので、電動車椅子のスピードは6 km/h までとされていることから、シニアカーの最高速度は6㎞/hなのです。
その3.シニアカーで電車にも乗れます。
以前は「障害者自立支援法」により購入費を受給した人と介護保険制度でレンタルしている方のみが電車を利用できました。
その後平成28年度に改正があり「介護保険制度の対象外の人」も電車が利用できるようになりました。
つまり自費で買った人も電車の利用が可能になったのです。小回りや寸法の条件がクリアされたシニアカーが対象です。
レンタルか購入どちらでも可能です。
レンタルの場合
車椅子同様に介護用品を扱うお店で借りることができます。月毎から週単位、1泊2日等の短期間も可能です。
介護保険制度で長期レンタルを希望する場合は1割負担となり月額2000~3000円でレンタルが可能となります。
購入の場合
事例:スズキのセニアカー (消費税はかかりません)

まとめ
いずれ人は必ず年老いて車を手放す時が必ずやってきます。免許と旅の車は自分の命であり、生き甲斐でもあります。
避けられない老いが来ても「旅」を楽しみたいと思うのです。
旅とは「自分の居場所をはなれて新しいところへ行く」ことです。
シニアカーはこれから高齢化が進む中で相当に開発が進んでくると思います。バッテリーの性能やGPS、AIを搭載したり、モーターの力も強くなり、パワーアップしたシニアカーの出現も待ち遠しいですね。
海外ではデザインの素敵なシニアカーが開発されています。乗るとカッコいいのです。
運転が危なくなったら、シニアカーが選択肢の一つになると期待されています。メーカーも開発を進めています。
tabito(旅人)